温泉の泉質とは
温泉にも様々な温泉がある。
熱い温泉、湯量の多い温泉、温泉掛け流し、秘湯。
肌に合う温泉に出逢えたら、何度も通いたくなる。
皮膚病などの慢性病であれば、湯治(とうじ)として温泉に逗留するというのもありだろう。
ただしここで問題になるのが、温泉の質、つまり泉質(せんしつ)だ。
泉質というのは、温泉のお湯の質のことだが、温泉ごとにかなり違った質を持っている。
同じ温泉地なのに、こちらは単純泉、こちらは塩化物泉と言ったように、複数の泉質のお湯が湧いている温泉地もあったりする。
でもこの泉質というのは、一体どういうものなのか。
環境省の泉質名では、次の11種類に分類されている。
温泉(療養泉)の泉質
単純泉 | 単純泉、アルカリ単純泉 |
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二酸化炭素泉 | CO2を多く含む温泉。単純二酸化炭素泉 |
炭酸水素泉 | HCO3を多く含む温泉。カルシウム、マグネシウム、ナトリウムなどのミネラル表示がされ。 |
塩化物泉(えんかぶつせん) | カルシウム、マグネシウム、ナトリウムなどの塩化物(塩素化合物)を多く含む温泉。 |
硫酸塩泉 | カルシウム、マグネシウム、ナトリウムなどの硫酸塩(硫黄化合物)を多く含む温泉。 |
含鉄泉 | 鉄分を多く含む温泉。二酸化炭素、炭酸水素、塩化物、硫化物などの形の鉄を含んでいるため、上記の温泉と組み合わせになっている。 |
含アルミニウム泉 | アルミニウムを多く含む温泉。結構珍しい。 |
含銅・鉄泉 | 銅と鉄を多く含む温泉。酸性。 |
硫黄泉(いおうせん) | 硫黄分を多く含む温泉。二酸化硫黄H2Sの独特な臭いが特徴。 |
酸性泉 | 液性が酸性の温泉。ミネラル分を余り含んでいない単純酸性泉。 |
放射能泉 | ラドンRnなどの放射性物質を多く含む温泉。 |
これを見ると、大まかに言うと、陽イオン・カチオン(カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、鉄、アルミニウム)と陰イオン・アニオン(炭酸水素・塩素・硫黄・硫酸)の組み合わせだね。
温泉の泉質と効用(適応症)
歳をとると皮膚が弱くなって、皮膚病や湿疹に悩まされたりする。
こういうとき、温泉で治したいけど、どこへ行けばよいのか。
温泉にはそれぞれ泉質があって、それぞれに適応症というのがある。
温泉には「一般的適応症」と「泉質別適応症」というのがあって、次のような体調不良に健康効果が期待出来るとされている。
温泉の一般的適応症(ほとんどの温泉に共通)
- 筋肉や関節の慢性的な痛みなど(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)
- 運動麻痺における筋肉のこわばり
- 冷え性
- 末梢循環障害
- 胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)
- 軽症高血圧
- 耐糖能異常(糖尿病)
- 軽い高コレステロール血症
- 軽い喘息又は肺気腫
- 痔の痛み
- 自律神経不安定症
- ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)
- 病後回復
- 疲労回復・健康増進
温泉(療養泉)の泉質と適応症
単純泉 | 一般適応症(全温泉共通):神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、健康増進 |
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二酸化炭素泉 | 高血圧症、動脈硬化症、切り傷、火傷 |
炭酸水素泉 | 切り傷、火傷、慢性皮膚病、美肌効果。 |
塩化物泉(えんかぶつせん) | 切り傷、火傷、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病。 |
硫酸塩泉 | 動脈硬化症、切り傷、火傷、慢性皮膚病、美肌効果。 |
含鉄泉 | 「婦人の湯」とも呼ばれる。月経障害。 |
含アルミニウム泉 | |
含銅・鉄泉 | 。 |
硫黄泉(いおうせん) | 慢性皮膚病、慢性婦人病、切り傷、糖尿病(硫化水素型)、高血圧症、動脈硬化症、美肌効果。 |
酸性泉 | 皮膚病。 |
放射能泉 | 痛風、動脈硬化症、高血圧症、慢性胆のう炎、胆石症、慢性皮膚病、慢性婦人病。 |